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漢方とは
Chinese medicine

5~6 世紀の飛鳥時代。日本に中国医学(以下、中医)が伝わり、多くの漢方薬や生薬、医学の本などが持ち込まれました。その後、室町時代まで行われていた中医による医療が段々と日本の風土や気候、日本人の体質やライフスタイルに合った医学に進化してきました。

「漢方」と聞くと中国をイメージする方が多いかもしれませんが、実は「漢方」は、江戸時代に日本へ入ってきた日本独自の呼び方なのです。

身体全体のバランスを整える
To balance the whole body

「なんとなく調子が悪い」「肌が荒れる」といった不調(未病※)は、西洋医学では原因が見つからず治療できないことがありますが、漢方ではこうした不調を「心身のバランスが崩れた状態」と捉えます。

体の一部分にフォーカスするのではなく、体全体の状態のバランスを総合的に見直し、体質や生活習慣などから全体を整えていきます。例えば、多くの女性が悩みを抱える肌トラブルの場合、塗り薬や化粧品が外から肌に働きかけるのに対して、漢方は体の中に働きかけて肌トラブルが起きない体質づくりをサポートするのです。

※「未病」とは発病には至らないものの軽い症状がある状態

不調のときに見る3つのポイント
Three key points to check when your physical condition is poor

漢方では体の不調があったときに、体内をめぐる「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」のバランスをチェックします。これらは人の体をつくる基本であり、この3つがスムーズに流れていれば、体も心も健康でいられると考えられています。

①「気」は元気・活力のもと
「気」は、“元気”の気、“気力”の気、“気合い”の気。目に見えない生命エネルギーのことです。 日頃意識せずに行っている自律神経の働きや、心の安定、風邪を引く原因となる免疫力なども関連があります。 元気が不足している状態のことを「気虚(キキョ)」、ストレスが体に溜まって悪影響を及ぼしている状態を「気滞(キタイ)」といいます。

②「血」は栄養素やホルモンを運ぶ
血液が不足すると貧血になりやすくなったり、血行が悪いと冷えの原因となったりします。 血が不足している状態を「血虚(ケッキョ)」と言い、顔色が青白い、肌につやがない、目がかすむ、筋肉が痙攣する、爪がもろい、など栄養が足りていないことによる症状が多く、貧血、皮膚乾燥なども見られます。 また、血が滞った状態を「瘀血(おけつ)」と言い、多くの場合、一種の血行不良症状を指します。顔色がどす黒い、色素沈着、舌や歯肉の暗紫赤化、下腹部の圧痛抵抗などの症候があらわれ、月経異常・便秘・頭痛・頭重・眩暈・健忘・錯乱・のぼせ・手足の冷えや火照りなどの症状があらわれます。

③「水」は体内をめぐる潤滑油
ここでいう「水」は、汗・鼻水・だ液・尿・リンパ液など、血液以外の体液を指します。体に潤いが足りていない状態が「陰虚(インキョ)」。熱によるのぼせや口渇があらわれ、皮膚の乾燥感や空咳が多くなりやすくなります。反対に、体のどこかで「水」が滞って溜まっている「水滞(スイタイ)」という状態になると、むくみや便秘になりやすくなります。

漢方のベースとなる5つの要素「五行」
The five basic elements for Kampo

中医学や東洋医学、漢方・薬膳は、万物を木・火・土・金・水の 5つの要素に分類する「五行説」という自然哲学の考え方が基礎になっています。

この 5 つの要素は、お互いに影響し合うことによって絶妙のバランスを保っており、自然も人間も社会も、五行の一定の循環によって変化すると考えられています。「五行」では、5つの要素を「相生(そうじょう・そうせい)」と「相剋(そうこく)」の関係で変化させながら調整します。

「相生」とは、「相手を生み育てる母子関係」という考え方で、「木→火→土→金→水」という流れを持ちます。「木」が燃えて「火」が起き、燃えた灰が「土」を肥やし「金(鉱脈)」が生まれ、鉱脈から「水」が湧き出て「木」を育てるという循環となります。

「相剋」とは「相手を抑制する」という考え方で、「木→土→水→火→金」という流れを持ちます。「木」は「土」から養分を吸収し、土は土手として「水」の氾濫を抑え、水は「火」を消し、火は「金」を溶かし、金属でできた刃物は「木」を切り倒すという関係を持ちます。

「五行」を人体に応用する「五臓」
The five organs that correspond the five elements to the human body

この五行の哲学を人体に応用したのが「五臓」です。漢方では、内臓を「五臓六腑」に分けていますが、現代医学で使われる内臓とは考え方が異なります。「五臓(肝・心・脾・肺・腎)」は、エネルギーや栄養分を作り出し、蓄えます。 六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)は、飲食物を消化して吸収し、栄養分を運んで不要物を排泄します。「六腑」はエネルギーを集め、「五臓」はそれを貯蔵する器官とされているのです。

さらに、「五臓」「六腑(三焦を除いた五腑)」は「五行」の 5 つの要素にそれぞれ順じて関係性を構築しています。五行説では、下記のように内臓以外にも「季節」「方角」「官」「味」など、あらゆるものを5つに分類します。

五行

Five lines

五臓

Five viscera

五腑

Five kites

五季

Five seasons

五方

Five sides

五官

Five sense organs

五味

Five tastes

Wood

Liver

胆嚢

Gall bladder

Spring

East

Eye

Acidity

Fire

Heart

小腸

Small intestine

Summer

South

Tongue

Bitterness

Soil

Spleen

Stomach

梅雨

Rainy season

Center

Mouth

Sweetness

Gold

Lung

大腸

Colon

Autumn

西

West

Nose

Spicy

Water

Wise

膀胱

Bladder

Winter

North

Ear

saltiness

これらを横串に眺めていくと、五行説の相関関係が見えてきます。例えば、お酒を飲みすぎて肝臓を傷めると、白目が黄色く濁ることがあります。そこで「木」の行を横に見ていくと、五臓が「肝」、五官が「目」とあります。 ここに相関があるため、「肝臓」の不調は「目」にあらわれるのです。

口内炎で悩むときには、「土」の行を横に見ていきます。すると、五腑は「胃」、五官が「口」となり、「少し胃が疲れているのかな」と考え、反省する材料になるというわけです。 このように、五行を基本にして、それぞれの相関関係を見ることで、心と体のバランスを把握することができるようになります。

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